エニスル よくあるご質問 FAQ

 
     
  「9」
質問:
「B4サイズスキャナ」 が欲しいのですが、取り扱っていないのですか?」
 
     
  回答:
「現在、B4サイズスキャナーは存在しません。また世界中のスキャナメーカーも生産していません。」
 
     
 
「B4サイズスキャナー」 に関しても、たくさんのお問い合わせを頂きます。

現在、日本では「A4サイズ」スキャナが主流です。印刷業者などのプロ用、業務用として「A3スキャナ」も販売されていますが、たいへん多くのお客様がお望みの「B4サイズスキャナ」は存在いたしません。

「B4サイズスキャナ」は、特にコミック作家様、同人誌作家様などのプロマンガ作家様からのご要望が多いご質問事項です。
コミック原稿サイズが「B4サイズ」であることから、「A3サイズスキャナは大きすぎる」ため、このご要望が多いようです。スキャナ以外のランプシート、ライトボックスなどコミック制作ツールの主力サイズは当然ですが「B4サイズ」です。スキャナだけが「B4サイズ」が無いのが現状です。

また、日本の公文書のサイズが数年前まで「B5サイズ」だったため、見開きでB4サイズの原稿をスキャニングできるスキャナーを お探しのお客様が多数いらっしゃいます。
現在では、日本の公文書サイズは「A4サイズ」ですが、過去の資料類はほとんどが「B5サイズ、または見開きB4サイズ」のものが多い ため、デジタルデータにする場合に「B4サイズ」のスキャナをお探しのようです。

学校のテスト用紙・プリント等はいまだに「B4サイズ」が主流であることから、日本で販売されている家庭用FAXは「B4サイズ読み取り」が可能なタイプがよく売れているようです。ただし「B4サイズ 読み取り」が出来ても、印刷は「A4サイズ」に縮小されてしまいますが・・・。

そこで、エニスルは直接スキャナメーカーに訪問して、「B4スキャナの開発・生産の可能性」をお尋ねして来ました。

訪問したのは、台湾にある世界的な大手スキャナメーカーの本社、経営者および技術、開発部門責任者の方々です。エニスルはA社、B社の大手2社を訪問いたしました。企業名をお知らせしたいのですが、その企業の経営戦略、マーケティング戦略に触れる部分もあり、匿名とさせていただきますことをご了承ください。現在スキャナの生産は、 ほとんどが中国で行われていますが、本社機能および研究開発部署は台湾にあります。(2006/7/13)

A社、B社ともに「B4スキャナ」、「スキャナの世界的動向」に関しては同じ見解でした。

1.「B4サイズスキャナ」の開発に関しての見解。

1)「Bサイズ」は日本独自規格サイズのため、仮に開発したとして市場は「日本」しか存在しない。(Aサイズ規格は国際規格です)

 

 
用紙サイズ、A3、B4、A4Bサイズは日本の独自規格  

2)開発することに関しては、技術的に何ら問題はない。ただし開発しても、世界中に販売可能で数量が出なければ、1台当たりのコストが必然的に高くなる。高額な価格設定のスキャナでは購買意欲は低いと思われる。

3)「B4サイズ」スキャナ用のパーツは世界中に存在していないので、全てゼロからの開発となり費用は膨大となる。

4)世界的にフラットベッド型スキャナを必要としているのは、欧米、そして日本だけである。


2.スキャナの世界的動向に関しての見解。

1)オフィス需要の主力はドキュメントスキャナ(書類専用の自動給紙装置付高速スキャナ)であり、フラットベッド型スキャナは需要が頭打ちである。

2)世界的に複合機(スキャナ・FAX・プリンタが合体したもの)が主力になりつつあり、単機能のフラットベッド型スキャナはあまり売れない。複合機でも主力は「A4サイズ」である。

3)デジタルカメラ、パソコン、PDFファイル変換ソフトウェアの普及により、現状では「原始データそのものが既にデジタル化」されている。昔の印刷された印刷物、書籍等のアナログの産物をデジタル化するときにスキャナが使われる程度で、スキャナ需要の大幅拡大は望めない。

4)大型スキャナは「邪魔」になる場合が多く、売り場スペースを占有することからパソコン販売店や家電量販店が取り扱ってくれないことが多い。また、購入したお客様もスキャナの置き場所の確保に相当なスペースが必要となり購入を躊躇する場合が多いと思われる。

台北市内のパソコン販売店、家電量販店をくまなく回って見ましたが、スキャナメーカーが言う通り「スキャナそのものを販売している店が非常に少ない」、「販売していても、スキャナの多くは複合機 。A3スキャナ等の大型スキャナを販売している店は皆無」というのが現状でした。生産メーカーの国でさえフラットベッド型スキャナの需要は非常に少ないのが現実でした。
台北市の住宅事情が日本と同じように個室スペースが狭く、大型電子機器類の置き場所の確保が難しいことも類似しています。

日本でも、同様にパソコン販売店では「複合機」の製品をよく見ますが、スキャナ単体の場合は「A4サイズ」のフラットベッドスキャナが主流で、その使用目的も過去の「銀塩写真のネガフィルムの透過原稿スキャニング用」として使用されているのが現状です。